私の知り合いに、表面上は夫婦関係を保ちながらも、実際には愛情が冷め切った状態で結婚生活を続けているご夫婦がいます。
「どうして離婚しないの?」
そんな疑問を率直に尋ねてみたところ、いくつかの理由が挙げられました。この話を聞いて、同じような状況で悩んでいる方もいるのではないかと思い、その理由を整理してみました。この記事が、これからの選択を考える際の一助になれば幸いです。
「子どもの存在」が離婚を選べない理由
・子どもが片親になるのは避けたい
・子どもが夫に懐いている
・夫も子どもを大切に思い、離れたくないと考えている
こうした理由から、愛情が冷めても離婚を選ばずに生活を続けている夫婦は多いようです。中には「子どもが自立するまでは離婚しない」と決めているケースも少なくありません。この方法であれば、離婚までの時間を利用して将来の計画を練り、準備を整えることが可能です。
しかし、「子どものため」と割り切っても、夫婦の不仲は子どもに伝わってしまうもの。特に年齢が上がるほど、微妙な雰囲気を察知しやすくなります。その結果、子どもの心に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。
もし、「子どものため」に夫婦関係を続けるのであれば、
・子どもの前では絶対にケンカしない
・円満な夫婦を装い、穏やかに接する
といった最低限の努力が必要です。
私の知人も、このようなルールを守りながら仮面夫婦を続けています。しかし時には感情が高ぶり、険悪な空気が子どもの前で漏れてしまうこともあるそうです。「イライラが抑えきれず、子どもに冷たく接してしまい、自己嫌悪で苦しくなる」と涙ながらに語っていました。
「親を心配させたくない」という理由で離婚をためらう
・親に夫婦仲が悪いことを話していない
・離婚後、親権を取れなければ孫を親に会わせづらくなる
こうした理由から、離婚を決断できないケースも見られます。特に親が夫を気に入っている場合、不仲を打ち明けにくく、「離婚して悲しませたくない」という思いも強くなるものです。
しかし、一度立ち止まって考えてみてください。
もし親が、自分の子どもが我慢を重ねながら結婚生活を続けていると知ったらどう思うでしょうか?たとえ相手を気に入っていたとしても、「無理をせず戻ってきなさい」と言いたくなるのではないでしょうか。
まだ夫婦の問題について親に話していないのであれば、思い切って相談してみるのもひとつの手です。親からのサポートやアドバイスが、新しい一歩を踏み出すきっかけになるかもしれませんよ。
経済的な不安で離婚を躊躇する
経済的な理由で離婚を踏み切れない仮面夫婦は少なくありません。
特に専業主婦だった場合、再就職の見通しや、子供を育てながら十分な収入を得られるかどうかが不安材料となります。たとえ職を得たとしても、生活費や養育費を安定して確保できるかどうかは大きな問題です。
また、夫が養育費を払う場合でも「最初の数回だけ払う」といったケースも少なくなく、経済面で不安が募ることもあるでしょう。
生活にはお金が必要ですが、その金額は状況に応じて変動します。
確かに離婚後は生活が厳しくなるかもしれません。しかし、あなたが心の面でどれほど楽になるかも大切なポイントです。「生活は苦しくなるけど心が軽くなる」のであれば、仮面夫婦を続けるよりも離婚を選ぶ価値があるかもしれません。
シングルマザーやシングルファザーとして、立派に子供を育てている人たちも多いことを考えると、あなたにもできるはずです。
世間体を気にして離婚を避ける
世間体を気にして離婚をためらう場合、特に男性に多い傾向があります。社会では「既婚者」の方が信頼されやすい場面もありますし、結婚していることが有利に働くことも少なくありません。
また、結婚式に多くの親戚や会社の上司を招いたことを理由に、離婚を決断できない人もいるようです。
パートナーへの情があるため離婚を躊躇する
愛情は薄れてしまったものの、「情」が残っているケースです。
「離婚したら相手はどうなってしまうのだろう?」と心配で、なかなか決断できないことがあります。また、自分の気持ちは冷めているものの、相手にはまだ愛情がある場合も同じです。このような時、再び関係を修復できるかもしれないという期待が、離婚を踏みとどまらせる原因となります。
もし本当に再構築が可能であれば、少し様子を見るのも一つの方法です。しかし、もし愛情が完全に冷めているなら、中途半端な感情で関係を続けることは、相手にとっても不公平かもしれません。この判断は非常に難しいものですね。
まとめ
結婚生活を続ける理由は人それぞれで、さまざまな事情が絡み合っています。子どものため、親を心配させたくない、経済的な不安、世間体を気にすること、またはパートナーへの情が理由となり、離婚をためらうことが多いようです。しかし、どれも心の中で葛藤を引き起こすものです。
大切なのは、自分が本当に何を望んでいるかを見つめ直し、心と生活のバランスを考えることです。どんな決断をしても、あなた自身が後悔しない選択をすることが最も重要です。もし今の状況が辛いのであれば、一歩踏み出す勇気を持つことも大切です。
このような問題を抱えている方にとって、他者の意見やアドバイスが新たな視点を提供してくれるかもしれません。時には信頼できる人に相談することで、思い切った決断をする勇気が湧いてくることもあります。
どんな状況であれ、自分らしい未来を築くために最適な選択をしていきましょう。